代表メッセージ

とある日、知人女性から「ストーカーに困っている。」と相談され、多少腕っ節に自信のあった私は、 ストーカー退治に乗り出し、 何とかその問題を解決することが出来ました。 そのとき感じたのは、「この女性のように不当に権利を侵され、 困っている人が他にもたくさんいるはず、 そんな人たちの力になりたい。」という気持ちでした。 そこで、人の安全を守る仕事を生業として始める決断をし、1999 年に創業いたしました。それから数年経ち、警備業界の実態を知るにつれ、その有りように疑問を感じるようになりました。 警備業界には、全国で約60万人の警備員が働いています。 これは警察官の総数の約二倍にあたります。 また、その市場規模は約3兆5,000億円と年々拡大しており、警備業は生活安全産業の旗手として期待されています。 ところがその一方、警備員の平均年収は、290万円と低く、ほとんどの警備員が5年以内に転職してしまいます。 365日24時間体制で他人の生命と財産を命を懸けて護る重要な仕事にもかかわらず、 あまりに評価が低すぎるのです。 これでは、警備の「プロ」としての人材育成は極めて困難になります。「低所得」→「人材の枯渇」→「低評価」→「低所得」の悪循環に陥っているのが現在の警備業界なのです。
それでは何故このような事態に陥ってしまったのでしょうか? それは警備の市場が成熟する過程において、 「価値」の創造を行ってこなかったからです。 本来、人間が人間を護る警備業の本質は労働集約型で費用対効果の低いものです。 この点を強調せずして、機械を導入し、資本集約型で費用対効果の高い部分をアピールしすぎた結果、 「機械さえ売ればいい」という、人間が二の次の業態になっていってしまったのです。 かつて「水と安全はタダ」と言われ、日本の治安は高い水準で保たれていました。 そして、その温床の中で日本の警備業は発展してきたのです。 しかし今日、犯罪件数の増加と共に日本の安全神話は崩壊しつつあります。 その中で警備業も従来の業態のままでは立ち行かなくなる日が近づいています。 今こそ、警備の原点に立ち返り、人が人を護ることの意義と重要性に着目して、 市場における新しい「価値」を創造しなければなりません。
私たちは、マンパワーセキュリティ株式会社の社名に思いのすべてを込めました。 「人の力」を育み、「人の力」で世の中の事件や事故を少しでも減らしたい。 そして働く警備員が誇りを持って仕事に取り組めるフィールドを市場の中に創っていく。 それが私たちの願いです。 私たちは零細企業ですが、この警備業界において小粒ながらきらりと光るダイヤモンドのような存在を目指しています。
マンパワーセキュリティ株式会社
代表取締役社長 尾山謙二郎